マンガのおかげでした

漫画好きのブログ。はじあくが最近のお気に入りです

「CATCH&THROW」受けて、投げる。それを繰り返し、僕らは日常を紡いでいく

とよ田みのる先生の短篇集が発売されましたー!



とよ田みのる先生初の短篇集。
ファンの私としては、非常に嬉しい。

今回の短篇集に収録されているのは、ゲッサンとサンデーに載った読み切り2つと、コミティアとコミケで出した作品が3つというもの。
イベントで出した3つの作品は同人誌を持ってますし、サンデーとゲッサンは購読しているので読み切り2つも読んでいます。

が、それでも短篇集という形で単行本になるのはやはり嬉しい。
1冊にまとまっていることで、読みやすくなりますからね。

読み終わったあと、早速感想を書こうと思ったんですが……1作品を除いて感想書いてました(笑)

フリスビーに思いを載せて。とよ田みのる先生の「CATCH&THROW」に震えた

ダークでミステリアスな「ヒカル」ちゃんが読み応えたっぷり

とよ田みのる&よしづきくみちの合作本「交換日記」が素晴らしい過ぎる

キャラのマイペースっぷりが実によく間で表現されていた「片桐くん」が素敵でした

※記事リンクは短篇集収録順となっています

短篇集一番最初の「素敵な面倒さん」以外は、感想を書いてました。
詳しい感想はそちらを読んで頂くということにして、短篇集の中でもオススメの2作品について簡単に触れたいと思います。

短篇集の表題作ともなっているCATCH&THROW。
これは短篇集内でとよ田先生が触れていますが、とよ田みのるの要素が全て詰まっている作品と言えます。
・ラブコメ(ラブロマ)
・マイナースポーツ(FLIP-FLAP)
・コミュニケーション(友達100人できるかな)

上記のような、とよ田先生の代表作の要素が詰まっている構成となっています。
少年サンデーでこの作品を読んだときから、何かの単行本に収録されないかと期待するくらい好きな作品でした。

周りから浮いていた主人公とキャシーという少女が、フリスビーを通じて交流していく様を描いた今作。
基本的な技能が「CATCH&THROW」のフリスビー。
そのフリスビーと共に二人が会話の「CATCH&THROW」を繰り返し、変わる様が実に素敵。

フリスビー部分の描写も、キャラの生き生きとした表情、躍動感溢れる構図で非常にワクワクします。
とよ田みのる先生お手製の擬音がまた最高なんですよ!
勢いをよく表現し、なおかつ擬音の表記自体に暖かさを感じる。
とよ田先生のこだわりが感じられます。

この作品は、本当にとよ田先生らしい「暖かさ」があって非常に素敵でした。
受け取って投げる。そしてまたそれを相手が受け取る。
これこそが、人と人とが紡ぐ日常の基本なのだということが伝わってきました。

投げるだけではなく、それを相手が受け止め、また投げ返すことで意思疎通する。
言葉にしなくても、フリスビーでCATCH&THROWを繰り返し親しくなっていく二人を見れば、それが人間にとってどれだけ大事なことか分かりました。
何回でも読み返したくなる作品です。

IMG_2462 (1)

CATCH&THROWで出てくるフリスビー……コミティアで買ってしまいました(笑)
忠実に再現されています。買えてよかった!

もう1つ触れておきたいのが、よしづきくみち先生との合作である「等価な二人」
これは短いので、あまり多くは書きませんが「笑顔」が非常に素晴らしいんですよ。

ラストの方にある、女の子のちょっと感動しているようなふるふるした口元。
そこから来る笑みの素敵さと言ったらもうね……心がほっこりしちゃったよ!

短いページ数に、しっかり伏線を入れるよしずきくみち先生のネーム力も素敵な作品です。
ニヤニヤも、ちょっとしたドキドキも詰まっている「等価な二人」
同人誌版だと、とよ田みのる先生がネーム、よしずきくみち先生が作画の作品も合わせて収録されています。

ゲストでイラストを描いている方も豪華なので、そちらも興味がありましたらぜひぜひ。
とらにはまだ若干残ってるようです。
http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0010/24/98/040010249874.html

非常に読み応えのある短篇集でした。
とよ田みのる先生の作品は、やっぱり暖かくて素敵です。




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[ 2012/05/13 22:08 ] マンガ | TB(0) | CM(0)

「すきなひと」色々な好きが、溶けて、混ざる

コミ1でゴルカムのお手伝いをしていたけやきです(挨拶)
そのコミ1は新刊、既刊ともに無くペーパーのみだったので、お手伝いする意味をあまり感じないくらい暇でした(笑)
で、ヤマカムさんと互いに持ってきた漫画を読み合っていたときに、この作品と出会いました。



友達の「すき」と、恋愛の「すき」の差異って、誰でも一度は考えたことがあると思うんですよ。
この作品は、そんな「すき」を描いた作品です。
どこかもどかしくて、だけどニヤニヤしてしまった!

☆友達の「すき」、恋愛の「すき」

「好き」という言葉を、私たちは様々な場面で使います。
私は両親が好きだし、はじあくも好きだし、大学の友だちも好きです。
全部同じ「好き」という言葉ですが、その意味合いは微妙に異なる。

その中でも、やはり恋愛の「好き」は群を抜いて強い、と思っている人が私を含め多いんじゃないかな?

姉である鏡子がその友達である城田と体を重ねているのを亜純は見た時、それを感じていました。
友達だった城田は、鏡子がどのような人間か知った上で付き合っている。
人として好きだから、長い間一緒にいられる(まあ城田はずっと好きだったわけだけど)

亜純自身それは良い事だと思っていても、どこか腑に落ちない部分がありました。

スキャン0007

きっとそれは、寂しかったから。
姉がいつの間にか立ち直っていたこと、城田が姉とそういう関係になっていたこと。
自分が知らなくて、置いていかれたみたいで、寂しかったんでしょう。

姉妹としての「すき」も、友達としての「すき」も、恋愛の「すき」には立ち入れないような気がして。

しかし亜純の友達に、寂しいって思っていいのだと受け入れてもらって、元気になりました。
確かに恋愛の「すき」が強いかもしれない。けれど、それ以外の「すき」が負けるわけでもない。
同じく、そこに存在するものだと思います。

友達の「すき」、恋愛の「すき」

スキャン0008

城田と鏡子は、友達の「すき」を辿って恋愛の「すき」にたどり着いた。

それって最強じゃない?

この言葉が強く胸に響いています。
上手く説明できないのに、なぜか納得してしまっている。

人として好きだから、友達として長く付き合っていられる。
それから恋愛の「すき」に辿りついたのだから、最強なのだ。

……と私なりに言葉にしてみましたが、半分正解くらいで、半分は違っている気がします。

友達の「すき」のまま、本当の気持ちを言わないのは苦しい。
でもそれを辿って、恋愛の「すき」に辿り着いたら、きっと強い絆が結ばれているのかもしれません。

上手く言葉にできないけど、何となく伝わってくる。
確かに、その「すき」の在り方は最強だと思います。

☆混ざり合う「すき」

友達の「すき」から恋愛の「すき」に辿り着いた場合、友達の「すき」はどうなるのでしょうか。
私は今までは、無くなると解釈していました。
友達から恋人へ。「すき」の形も恋愛の「すき」に移るものだと。

ただこの漫画を読んで、消えるわけではなく「混ざる」のだと考えを改めました。

スキャン0009

友達の「すき」と、恋愛の「すき」が混ざり合って、1つの強い「すき」を作る。
だからこそ、最強なのかもしれません。
どちらの「すき」もすでに在って、消えること無く、混ざる。

なるほどなあ、と納得してしまいました。
在り方は変わったとしても、確かにその「すき」は在るのだと。
混ざって存在している。この珈琲の演出はニヤっとくるものがあるな!

ちょっと脳みそとろけそうになりました、このマンガ。

半分も魅力を言葉にできていませんが、このマンガはニヤニヤするし考えさせられるし、脳みそをくすぐられるようなものでした。
大満足です。ヤマカムの山田さんに感謝!。

画像引用元
すきなひと(日坂水柯)白泉社



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[ 2012/05/11 14:24 ] マンガ | TB(0) | CM(0)

「はじめてのあく」乙型のモノガタリ

はじめてのあく15巻が発売されましたねー。



はじあく単行本感想が、色々あって出来ない時期もありましたが、終盤が近いのでしっかりやっておこうと思います。
15巻は見所が実に多い巻です。

一例をあげれば、アキと赤城の受験勉強の話。
日頃のお礼に赤城にプレゼントをあげようとするアキですが、テンパリまくりです。

スキャン0010

アキだって年頃の女の子、エッチな部分だって当然ありますよ(ニッコリ
しかしいやらしいヒモの結び方だな。アキちゃんて……実は結構エッチな子かも。
ユキに言わせれば、純情だけどムッツリって感じなのかもしれませんね。
純情とムッツリが両立するかはしりませんけど!

そんなアキの可愛さが収録されている15巻ですが、やはり15巻といえば乙型です。
乙型の物語は、本誌で読んでいて非常に衝撃を受けました。

盛り上がり的には、はじあく史上1番と言っても過言ではありません。

以下、結構なネタバレのために一応収録。このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/05/11 01:06 ] はじめてのあく | TB(0) | CM(0)

「じゅういちぶんのいち」本気の想いは、きっと届く

面白いサッカー漫画を教えてくれ、と私が仮に聞かれたらこの作品をオススメします。

1/11 じゅういちぶんのいち 1 (ジャンプコミックス)
1/11 じゅういちぶんのいち 1 (ジャンプコミックス)

じゅういちぶんのいち。
今一番、読んでない人に勧めたくなるサッカー漫画です。
サッカー漫画と言っても、サッカーを全く知らなくても楽しめる。

要素的に言えば、サッカー成分はそこまで濃くはないでしょう。
その中で、サッカーを通して伝えたいことを描いている。
これがたまらなく心に響いてくるんですよ!

☆始まりの1話。全てを超えてあなたの元へ
1話目の最初で、主人公はサッカーを捨てようとしていました
サッカーは大好きだけれど、自分の才能に限界を感じて、高校では勉強の方に多く力を入れようと考える。
そんな安藤のもとに、女子サッカー日本代表の若宮が現れます。

サッカーをする安藤が途中から苦しそうな表情を見せたことを気にかけ才能があると励ましますが、逆効果で安藤の傷を抉りました。
本気でプロを目指しても、天才には届かない。

小学生のころ敵なしだった安藤ですが、中学で壁にぶつかり、世代別日本代表クラスの相手に完膚なきまでにやられる経験を味わい、プロという夢が打ち砕かれました。

後日安藤が若宮と会った時、1対1の勝負をしました。
技術的には優れている若宮ですが、女子の中でもフィジカル的には弱い部類です。
そんな彼女が日本代表にまで慣れたのは、サッカーが一人でやるものではないから。

ドリブラーだった安藤は、若宮の言葉がどういう意味かを試合中に実感しました。
一人では止められるドリブルも、仲間の存在をフルに活用すればもっともっと生きるということを。
パスを出す相手がいるから、フェイントも生きる。
相手が判断を迷うからこそ、ドリブルがより通用する。

これだけ見ると良いサッカー漫画だな、で終わるんですが若宮の存在が胸に来る。

…やっと…楽しそうにサッカーをするあなたが見れた

若宮の心には、ずっと安藤がいたんだなと伝わって来ました。
幼い頃の憧れが、彼女を支える力になっていたのでしょう。

読み終わったあと、1巻の表紙と裏表紙を交互に見るだけで私は泣きそうになります。

☆本気の想いは、きっと届く

1話以降は、安藤に関わる様々な人にスポットが当たります。
チームのマネージャーだったり。プロで一緒にプレーするGKだったり。
どれも素晴らしい話なんですが、個人的に印象的だったのはクラスメイトの少女の話と、高校のチームメイト話です。

前者は、ほとんどサッカーとの関連性はありません。
ただ、悲しい思い出はより楽しい思い出に上書きすれば良いという言葉が強く胸を打ちました。

クラスメイトの水野は最近失恋して、その失恋相手の先輩が好きだった曲を合唱コンクールでやらなければいけないという辛い状況。
そんな水野に対し、安藤が言ったのが先ほどの思い出の上書き。
これは私が最近似たような状況だったので、なるほどなあと思いました。

完璧に上書きするのは難しいかもしれません。
でも本気でそれに取り組めば、辛い思い出よりも楽しい思い出が強く心に残るでしょう。

合唱コンクールに本気で取り組み水野。
本番前に緊張する水野に対し、緊張するのは頑張ってきた証拠だと言ってのける安藤が熱い。
さらに真剣な表情で「勝つぞ」と言う横顔が痺れた。

水野に対し、安藤は茶化すわけでもなく本気で答えていたからこそ、水野は合唱コンクールで燃焼することができたのだと思います。
ラジオでその曲が流れたとき、思い出すのは合唱コンクールのこと。
上書きされた思い出は、キラキラと輝く青春の1ページとなりました。

後者のチームメイトの話は安藤関係ないです。
チームメイトのクラスメイトが、頑張った話です。
なぜかオフサイドを知りたがるクラスメイトのギャルっぽい関と、地味めなディフェンダー今野にスポットが当てられた話。

今野が真剣にオフサイドについて関に教えたことで、関は救われました。
関の頑張りが報われて、良かったなあと素直に思えます。
この話が好きなのは、関が可愛すぎるからです。
1巻1話登場の、若宮の次に好きな女性キャラです。

ギャルっぽい外見でありながら、凄い一途というか。健気というか。
もうね、関と今野の組み合わせはニヤニヤしたよ!
じゅういちぶんのいちにニヤニヤ成分は求めて無かったけど、ニヤニヤしちゃったんだよ!

愛の戦士、今野を私は応援します!

じゅういちぶんのいちは、1話1話伝えたいことが違うのかもしれません。
でも私としては、本気の想いがあるからこそ何かができたり、誰かに伝えられるというテーマ的なものがあると感じています

じゅういちぶんのいち。
サッカーは11人でやるもので、その中の1人という意味です。
違った味方をすれば、自分以外の誰かが10人いるという意味でもあります。

1人じゃない。
助けてくれる誰かがいる。
見ていてくれる誰かがいる。
信じてくれている誰かがいる。


そんなことを、この作品は教えてくれます。
派手な描写というのは、あまりありません。
でも確かにそこにある「熱」が、安藤を始めとするキャラからキャラへ、そして読者へと静かに伝わります。

読み終わったあと、体の中にある熱を少し冷ますように深く息を吸って吐きました。
心地良い感覚でした。この作品は素敵すぎる。

私も、あなたも、この世界のじゅういちぶんのいちです。
一人では、ない。

1/11 じゅういちぶんのいち 2 (ジャンプコミックス)
1/11 じゅういちぶんのいち 2 (ジャンプコミックス)
1/11 じゅういちぶんのいち 3 (ジャンプコミックス)
1/11 じゅういちぶんのいち 3 (ジャンプコミックス)このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/05/07 02:01 ] マンガ | TB(0) | CM(0)

この短編集は凄い!「Latin」の泣き顔に心打たれた

最近あまり漫画を読めていませんが、久しぶりに単行本を買いに本屋へ。
Twitterで何気なく「Latin」という作品が勧められていたのを見たので、はじあくを買うついでにアニメイトで購入。

うん、予想をはるかに超えた面白さだったんだ。

Latin 高畠エナガ短編集 1 (高畠エナガ短編集)Latin 高畠エナガ短編集 1 (高畠エナガ短編集)
高畠 エナガ

集英社

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表紙を見た時から、実はちょっとだけこれ面白いんじゃないかとか思ってました。
泣き顔が非常に印象的だったので。
何かを訴えかけてくる、そんな泣き顔です。

こちらの作品、短篇集ということですが表題作の「Latin」がページ数的に3分の1を占めています。
そのページびっちりと、熱い内容が描かれていました。

ラテンというアンドロイドを自宅前で拾った渡辺。
捨てられたアンドロイドらしく、ボロボロという表現が実に合っています。

元々は精巧な女性型アンドロイド。
ただ現在は手当をしたとはいえ全身に包帯を巻き、髪もボサボサ。
性格の方もヤサグレているように見受けられます。

家事の手伝いもしてくれないラテンと渡辺はケンカが絶えず、ラテンはそのたびに捨てれば良いじゃないかと自暴自棄のように吐き捨てる。
そのたびに、命を持っているものは捨てられないと答える渡辺。
アンドロイドに対し「命を持つ」という認識が、素敵だなと思ったり。

ふと家に帰った時、ラテンの持っていた写真を見てしまう渡辺。
そこには、家族と幸せそうに写っているラテンの姿がありました。

家出したと言ったラテンですが、実際は捨てられていた。
記憶は消えているのに、体の内側いっぱいに貼られた幸せそうな写真がいつまでもラテンに問いかけをさせる。
どうして、と。こんなに愛されていたはずなのに、どうして捨てられたのかと。

大好きだったアンドロイドを捨てられた経験がある渡辺。
ラテンの辛さ、大好きなラテンを捨てられた子供たちの辛さを彼は知っていました。

スキャン0001

だからこそ、重みのある言葉。
好きな人と別れる辛さを知っているからこそ、何とかしてあげたい。
渡辺の素直な気持ちが、固くなだったラテンの心に響いているのが伝わって来ました。

悲しくて泣いていた涙に、嬉しみの涙が混ざったのが分かります。
ラテンの泣き顔は、崩れながらも美しいんですよね。
ずっと見ていたくなるような魅力を感じます。泣き顔が素敵な作品は、名作が多いような気がする。

この日を境に、渡辺とラテンの生活は変わります。
ラテンの元の持ち主を探したり、体を修理したり。
その時の表現が、非常に印象的なものでした。

未来へ進むような 過去へ還るような 不思議な時間が流れた

二人の関係が前進し良好なものとなった今、未来へ進んでいるように感じるでしょう。
その一方でラテンの体を直したり、元の持ち主を探す行動は、ラテンの過去へと還っているように感じるのだと思います。
渡辺にしたら、ラテンを拾う前の自分に戻っているような感覚もあったのかもしれません。

この表現が強く心に響きました。今のこの状況を、これ以上に表せる言葉を思いつかない。
一件矛盾するような言葉が当てはまる、稀有な時間だということが伝わって来ました。

渡辺はラテンの髪を磨いで、体を直して。ケンカもして。
ラテンは渡辺のために、今までやらなかった料理なんかをして。
少しずつ、けれど着実にお互いの距離を縮めていく二人の姿は、心地良いものでした。

その一方で、どちらもラテンの過去を気にする描写がたまらない。
特に渡辺が、ラテンの過去のことを考えて、自分を傷つけたシーンが。
このシーン、さり気なく流されていますが渡辺は傷ついていました。

ラテンが自分の中で大切な存在になっていることにこの時点で気づきながら、ラテンには「還る場所」があるということを思い出し、彼は泣いていました。
いつかラテンが自分以外の誰かの元に「還る」ことを、悲しんで泣いていました。

感情を文字にしたわけではないけれど、痛いほど伝わって来ました。
絵で感情を訴えられると、文字にする以上に響くもんだな。

渡辺と親しくなったラテンは、もう信じられないくらい可愛いんですよ。
修理が終わってピカピカになって、渡辺が自分を意識し始めているのを察してニヤニヤしている姿とか最高です。

スキャン0002

渡辺が何かを伝えようとしているのを知って、待っているラテンが可愛すぎる。
髪をくるくるする仕草が、実に人間の女の子らしい。
ちょっといたずらっぽく微笑んでいる姿に、思わず頬が緩んでしまいました。

ああもうラテン可愛すぎる!!

やっぱり、女の子は笑っている顔が一番可愛いなと改めて感じました。
ラテンの笑っている顔は、それくらい魅力的だから困る。ちょっとドキドキしちゃう。

このあとの終盤の展開が、実に熱かった。

スキャン0003

家族と渡辺の間で揺れる、ラテンの心。
自分の居場所が分からず、涙が溢れました。
どうにかできるのは、渡辺だけ。ラテンが待っているのは、渡辺の言葉だけ。

もうこの辺は息を呑んで読んでいたと思います。まさに作品に引き込まれた。
ラテンの涙が、辛さを全力で読者に訴えてきます。
泣き顔の破壊力が本当に凄まじい。
ラテンの感情を、これでもかというくらい表現している。
こんな泣き顔が、心を打たないわけがない。

どのような展開を、そして結末を迎えるかはぜひ短篇集を読んで確かめて下さい。
感想サイト失格かもしれませんが、言葉ではあの熱量を半分も表現しきれない。

百聞は一見にしかずとは言いますが、この作品は本当に読んで確かめて欲しい。
Latin以外の作品も本当に素敵でした。一番はどうしてもLatinになってしまいますが。

上半期最高の短篇集と言ってしまって良いくらいのレベルでした。
去年は短編集が豊作だった年だと思いますが、今年も凄い短編集に出会えて嬉しい。
大満足の1冊でした。本当にオススメです。
……短編1話に対し、かなり長い感想になってしまったな(笑)

画像引用元
Latin(高畠エナガ)集英社

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[ 2012/05/04 02:15 ] マンガ | TB(0) | CM(0)